お客様の「笑顔」と、自分自身の「笑顔」 笑顔が広がるアクションパワー

tamami otsu

  起業ストーリー vol.1

  株式会社アクションパワー 代表取締役 大津たまみ

 笑顔を届けるお掃除会社” 株式会社アクションパワーを始め、生前整理

 や女性起業家支援まで行う「アクショングループ」の代表取締役

 大津たまみさんに、起業のきっかけから起業後の乗り切り方、

 ワークライフバランスまでお話をうかがいました。

 

 

 

起業のきっかけは「やむにやまれず」。起業決意後事業内容を決定!

 

伊藤:(株)アクションパワー様は平成18年7月、家事代行サービス、ハウスクリーニングの会社として創業されました。まず起業のきっかけを教えていただいてもよろしいですか?

大津:息子が9歳の時にシングルマザーになりました。古風な家柄で「出戻り」が許されないといった状況のなか、なんとか仕事を探そうとしていたのですが、面接に行っても断られてばかり…。自信を失い生活も逼迫し、「お母さん、笑って!」息子からそんな風にお願いされるくらい、笑顔まで失いました。雇ってくれるところがないなら自分で自分を雇用しよう!そう思ったことが起業のきっかけでした。

伊藤:なるほど。「やりたいことありき」の起業ではなく、生活のため、だったわけですね。では起業決意後事業内容はどのように決められましたか?

大津:私の場合、起業を決意したものの、具体的な策は何もなく、まずわら半紙に事業計画書を書き、それを60人の方にみていただきました。ところが、実の母には泣いて止められ、先輩起業家からは「この計画ではつぶれる」と一喝。その事業計画には自分にできることが何も入っていないからだと気づき、事業計画をブラッシュアップ。その結果、今までの清掃業界での経験とワーキングマザーとしての思いを融合させた『笑顔を届けるおそうじ会社株式会社アクションパワー』を設立しました。

 

起業準備が事業化後の売り上げに!戦略的PRで知名度も向上

伊藤:その後半年間の準備を経て起業をされたとのこと。多くの場合事業化初期に皆さん苦労されるのですが、まず売り上げはどのように確保されましたか?

大津:売上、に関しては事業計画書をブラッシュアップしていく中、「この計画なら」と共感してくださった方がお客様になってくださいました。また、準備期間中には、清掃会社にあらためて無償で武者修行にも行きました。

伊藤:準備期間の活動が売り上げにもつながったのですね。 「お掃除を売りたい」のはいわば自分の都合ですが、「信頼できる相手にだけ任せたい」という相手の見えないニーズにも、まず大津さんをよく知ってもらうことで期せずして応えたということでしょうか。あらためて「準備の大切さ」が身に沁みます。

大津:売上拡大のためには「プロモーション戦略」も考えました。テレビなどの多くの人が目にするメディアは「面白い人」に着目するという特性があります。そのため、まず自分自身が「面白くなる」。具体的には「お片付けの家庭教師」という他社にはないコンセプトをもった社長になり、ブログなどでまめに情報発信を行いました。その結果メディアで取り上げられることが多くなり、会社の知名度が向上しました。

 

ヒトの問題…「言わなくてもわかってくれるはず」は通用しない!

伊藤:起業の第一ステップである売り上げの問題をクリアしたあと、多くの起業家が悩むのが「ヒトの問題」です。ヒトの問題には対外的なもの、内部的なものの両方があるかと思いますが、アクションパワー様の場合いかがでしたか?

大津:おかげさまで当社はお客様にも恵まれ、非常に高いリピートをいただいています。 ただ、時には耳の痛いご指摘をいただく場合も。例えばとあるお客様の場合、サービス提供後のご請求の段階でトラブルとなってしまいました。本来サービス単価は「1時間あたり」なのですが、お客様は「3時間(サービス提供時間)あたり」の金額と誤解されていたことが原因でした。 その後は誤解を生じないよう、報酬は必ずサービス提供前にお客様にお伝えするよう、スタッフへの教育を徹底しました。 そのような対応も評価されてか、トラブルとなってしまったお客様からはその後大口のお客様をご紹介していただいたり、思ってもいなかった結果にも恵まれました。

転んでもタダでは起きないですね(笑)。
伊藤:内部的なものは組織が大きくなる中、どのようにクリアされましたか?

大津:スタッフは主婦をアルバイトで採用していたのですが、企業体らしいルールづくりを始めたところ、内部から大きな反発を受けました。それまで馴れ合いがあったので、ルールによって縛られることに批判が出て辞めていってしまったスタッフもいました。当時はまだ自分自身のマネジメント能力も不足しており役員も2人去りました。

 

時間の「先取り」と楽しむことがワークライフバランスの秘訣!

伊藤:ところで女性の起業家が特に気になる点としておうかがいしますがワークライフバランスのポイントは?特に大津さんはとてもお忙しいなか、息子さんとの時間はどのように確保されているのでしょうか?

大津:わたしはやると決めたことは「(時間の)先取り」で、必ず実行することにしています。

例えば、起業直後であっても「日曜日は必ず休む!」と先に決め、日曜日は家族の時間にあてていました。「先取り」は家族とのことだけでなく、例えば「月に一度はテニスをする!」と決めたら必ず実行しています。

伊藤:「時間ができたら○○をする」ではなく、先にスケジュールを確保するのですね。時間確保以外に心がけていることは?

大津:状況を楽しむことですね。起業直後はほんとうにお金もなく、夕食のおかずが「納豆一個」だったこともありました。でもそのメニューを「豪華納豆ごはん!」と命名して、今、目の前にある息子との時間を楽しみました。

伊藤:うちも自営で「家族6人(食費)一週間5千円」生活を送ったことがあるのでとても共感します(笑)!

大津:「すべてを失ったらまたコーポの一間から始めればいいや」で(笑)。

伊藤:それも同じです!

(息子さんが中学3年生の時にくれたという手紙をいつも持ち歩いているのだそうです。
「文句ばかり言う俺の話を最後まで聞いてくれてありがとう」という感謝の言葉とともに「働く母さんはかっこいいよ」というエールも。)

 

メンターは多くてもモデルケースはなし!自分がモデルに!

伊藤:各業務分野にて出版された書籍からオリジナル掃除グッズ、化粧品まで幅広く展開されています。

すごくいろいろな経験を乗り越えてきておられますが、誰か目標とした女性経営者さんはいらっしゃいますか?

大津:尊敬する女性経営者はたくさんいらっしゃるのですが、私と同じ「シングルマザー+起業」のモデルとなる女性経営者は実はいませんでした。なので「自分がモデルとなる!」との気持ちで今もやっています。

モデルそのものはいなかったとはいえ、多くの経営者の方からは常に重要な「気づき」をいただいています。例えば、今当社の入っているビルのオーナーさんからは「クレイジーさが足りない」「会社が一つでないといけないと誰が決めた」など。

そんな言葉に出会って、生前整理をお手伝いする一般社団法人 生前整理普及協会 代表理事、女性起業家のインキュベーション施設、株式会社アクションラボの代表取締役、清掃収納に関するプロを育成する日本清掃収納協会 代表などをつとめています。

さまざまな出会いから得られた気づきを行動に移されて事業を拡大してこられたのですね。大津さんに連絡をとるとすぐに返事が返ってきて、そのスピード感があってこそ、短期間でいろいろなことをやり遂げられるのだと感じます。

(特別に見せていただいた手帳には、メンターのお一人に教えてもらった「リーダーの役割10か条」を手帳の一番前に貼ったり、
自身の笑顔の写真で、時に人前に立つことに怖気づきそうな自分自身を勇気づけたり。様々な角度から自分のやる気を引き出していらっしゃいます。)

 

伊藤:ところでこれからの夢は?

大津:仕事面では、まず直近の取り組みとして「塗る手袋」を開発しています。ハンドクリームなのですが、清掃に携わるとどうしても手が荒れてしまいます。この商品は塗ったところをコートして手荒れをふせぎ・・・まず試して!

伊藤:(塗ってみて)すごい!水をはじくけどベタベタしないんですね!

大津:「世界中の女性の手をきれいにしたい」が目標です! 商品開発の他に、ずっと先の目標としては「シングルマザーハウス」を作りたいと考えています。母子世帯の総所得は「全世帯」の46%、「児童のいる世帯」の36%に留まっています。仕事を継続的に提供し、安心して生活できるようなそんな基盤をいつか作れたらと思っています。

伊藤:では最後に女性起業家に対してのメッセージをお願いします。

大津:これから起業される方にはぜひ「喜業」を目指していただければと考えています。「喜業」とは、「自らが喜び」また「人も喜ぶ」ビジネスのことです。

その両者が喜ぶことではじめてビジネスとして成立し、長続きもしていきます。

私もこれからも「喜業」の精神でがんばります。ともにがんばりましょう!

ありがとうございました!

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